高校生の私が沢田研二さんのライブに行った話

・ジュリーとの出会い

私が沢田研二さん(ジュリー)を知ったのは、数年前に見た「ドリフ大爆笑」の再放送だったかと思います。

本当に何気なく見ていただけなのに、ある瞬間にガツンとやられました。

コントの合間にある歌のコーナー。そこでジュリーが歌っていたのです。

歌唱された曲は「カサブランカ・ダンディ」。飾りも何もないステージに立つジュリー、小粋なメロディ、艶のある歌声に、楽曲の世界観をそのまま表現したような衣装とパフォーマンス。

さっきまで志村けんとコントをしていた青年が一気にカサブランカのあんちゃんに変身している。

なんだこれは、こんなにすごい歌手が存在していたのかと衝撃を受けました。

そして気が付けば部屋にはジュリーのレコードやプロマイドが溢れかえっていました。

ありがとうファミリー劇場

 

・近年の沢田研二さんについて

さて、ここからが本題です。

ご存知の方は多いかと思いますが、沢田研二さんはデビューから71歳になる現在まで毎年ツアー(と新曲の発売)をしているんですよ。

しかもそのツアーは大概全国規模で、私の住む九州のド田舎もツアー範囲に含まれるんです。

普通なら行きますよね。

私もジュリーのファンになったとき、ちょうどツアーのCMがテレビから流れてきて、チケットを購入するか迷いました。

いえ、私だって70年代・80年代に生きる女学生ならばジュリーのライブと聞けば東京だろうが何処だろうが迷わずチケットを取っているはず。

きっとそのライブでは当時の新曲、つまり今の私が好きになったジュリーの曲が聴けるのですから。

しかし今は21世紀。昔のライブとは違うのです。

というのも、近年の沢田研二さんのライブは極力過去の楽曲は歌わない方向性で、近年の曲を中心にセットリストを組んでいるという話を知りまして。

そしてその近年の楽曲というのは政治的な思想が強く、そういった事柄に疎い人間はどうしても苦手意識を覚えてしまうような歌詞。

そういったことから、私は長らくジュリーのファンでありながら沢田研二さんのライブには足を運ばず過去の楽曲ばかりを聴いていました。

 

(正直ライブに行った今でも、瞳みのるさんがインタビューで語った『沢田研二は今、憲法九条、反原発とか政治色の強い音楽をやってますよね。僕も想いは同じなんですけど、どちらかと言うともっと文学性に重きをおいたものをやりたいと思っています。』という言葉の方に共感しています)

getnews.jp

 

・そんな私が沢田研二さんのツアー「SHOUT!」に足を運んだ理由

とはいえジュリーのことは大好きで、スーパーアリーナの報道をみてはジュリーがテレビに出てる!と喜ぶくらいには日々を楽しんでいました。

そんなある日、Amazonのおすすめ商品にある楽曲が表示されました。

沢田さんの新曲です。

なんとなくでした。ドリフを見ていた数年前のように、なんとなくそれを試聴してみたのです。

……え!?!? 超カッコいい!!?!?!?

サウンドも歌声も、それはもう滅茶苦茶かっこよかったです。

実はいままで歌詞だけ見て敬遠してたんですが、曲として聞けばこれがロックか…と思うくらいカッコよかった。

衰えるどころか重厚感を伴ってさらに進化している歌声にも驚いた。え、マジで…?ってリアルに声が出た。

なんだ、ジュリーじゃないか。と思ったのです。

何だったかは忘れましたが、沢田研二さんがどこかで「人間は変わっていくものだから」とおっしゃっていました。

でもきっと、変わっていき、昔とは違っても変わっていかない物もあるんだと思います。

ファン歴も短い私が何を偉そうにって感じなんですけど……。今の彼の歌を聞いたときは本当にそう感じました。

そして、追い打ちのようにファンの方のブログで「最近はジュリーの生き様を見るためにライブに行っている」という文字を見つけ、吹っ切れました。

どうせ地元に来てくれるんだもん!!私はジュリーのライブに行くぞ!!!!

 

・そんなわけで「SHOUT!」に行ってきた

5月9日に流れてきたセトリ情報に(歓喜のあまり)狼狽えながらもバッチリ予習してライブに行きました。

会場はレコードの時代からジュリーのファンだったであろう方々に加え、CDやサブスク世代であろう方々も多かったです。

皆それぞれ期待に胸を膨らませている様子で、ファンの方々の様子も分かるというライブ現場の醍醐味を感じました。

ドキドキしながら開演を待ち、時間になると沢田研二さんの登場!

間髪入れず曲が始まり、皆が耳を傾けます。

正直、めちゃめちゃ最高でした。

伴奏は柴山和彦さんのギターのみ。

ですが、それを感じさせないくらいの力強さがあり、パワフルなジュリーの歌声とばっちり組み合わさっていました。

 サウンドも歌声も当時とは別の物ながら、いやだからこそ、それまでに積み重ねられてきた時間や想いを感じられ、「探偵~哀しきチェイサー」「そっとくちづけを」では思わず涙を流してしまいました。

そしてセトリを見たときから不安視していたメッセージソングが続く流れでしたが、前列のファンの方々の盛り上がりもあり驚くほどすんなりと受け入れることが出来ました。

全力で歌い上げ、歌唱後は必ず「ありがとう」と声に出す沢田研二さん。隣で力強くギターを奏でる柴山和彦さん。このおふたりの真摯さとパワーを前にして腐す態度などとれるわけがないのです……。

 そんなこんなで濃密で短い時間は終わり、満足感のなか私は会場を後にしました。

 

 ・何が言いたかったかというと

悩むくらいなら行った方が良いな!!という感想でした。

 

ところでこの記事、2019年に描きかけのまま放置していて今は2020年です。

私は変わらずジュリーファンで正月ライブにも張り切って行ってまいりました。

どうやら今年から昔の曲を出し惜しみしないという姿勢でらしく、正月ライブもあの頃の曲が好きな方へもおすすめしやすい構成になっていました。

そして、今年5月からはまた全国ツアーが始まります。

悩んでいる方がいたら是非足を運んでみてはいかがでしょうか?(それっぽい締め)